私は女神。
私は奇跡による癒しの法力を信者に与える。



あそこの神を信仰すると加護により法力を得られるらしい。
お得だ。



最近法力目当ての信仰が増えた……
本当の信仰とはなんだろう……?



あの癒しの力は素晴らしい。これにより癒し手を増員すれば
よりこの戦を有利に運べる。


法力が征服するための力として存在して良い筈がない。
そのような魂胆の持ち主に法力を与える必要は無い……



何故加護が得られなくなった?
神が信者を選び始めたというのか……
「本当の慈愛の心」を持った信者を……


ならば、答えは簡単だ。
「本当の慈愛の心」を持った子を作り上げればよい。


なんという狡猾な事を。
しかしあの子は「本当の慈愛の心」を持っている。
自分自身の存在に何も疑いすら持たず……。
だがその癒しの矛先は他者を征服する「悪意」……


「呪い」を付加しよう……
あの子の癒しを受けたものには、いずれそれ以上の「苦痛」が与えられるよう。



あの子に関わったものが皆死んでいく!
「女神」の策略か……なんたる狡猾な……!


どちらにせよ「この子」はもう当初の目的には役立たない。
処分が妥当だろう。





最悪の結末だ……
あの子だけが殺され、そして怠惰な者共がのうのうと生き行く……
何が悪いのだ……「世の中」か、それとも……



ワタシ、が。






もう全ては壊れたのだ。何が慈愛なのだ。
私はもはや癒す存在でも何物でもない。あるのは憎悪。復讐。
全てを天罰に寄り無に帰してやろう……




私はネメシス。










--




ここは、いったい、どこなのだろう?



でも、ここは、なんだか悲しげな雰囲気につつまれている。
私の力で少しでも和らげられればいいのだけれど……。














- Nemesis - - Coco -